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2008年5月 2日 (金)

「国・官頼み」発想から離れたことで民間に活力

「政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム”再結集~」その19
―第2部「日本は変われるのか」―

松原聡: 要するに構造改革の目玉というと、郵政民営化と道路公団なんですが、道路公団が株式会社になっても、まだ1年2年の話で、郵政にいたってはまだ3カ月しかたっていない中で、そういう構造改革の成果がダイレクトに経済に結びついているわけではないのです。これからの話です。

ただ、私がいろいろな企業の経営者の方たちとお話ししていて感じるのは、やはり構造改革ということで郵政にも手をかける、道路公団にも手をかける、財政も切り詰めるという中で、何となしに、自分たちの民間の企業の中にもあった、苦しいときの国頼みというのでしょうかね、苦しいときの官頼みみたいな発想がなくなってきたんだと。これは不良債権処理での金融もそうですね。

その意味で、構造改革というものが日本社会とか経済全体に対して、今まであった一種のもたれ合いみたいなことでは……

もう駄目なんだ、自立でいくしかないんだ、みたいなところが、実は間接的に経済の活性化に非常に役に立ったのではないか、そういう認識を私は持っているのです。

そうすると、今の議論は非常に心配でありまして、例えば「地方間の格差をなくしていきたい」、それから「ネットカフェ難民、実は裕福じゃないか」と いうお話が木村さんからありましたが、そういうところに目を向けていこうということは、実はそういうところにどんどんお金をつぎ込んでいくというわけで す。

増税によってお金をつぎ込んでいく、大きな政府にしていくということは、実はギリギリのところで自立してやっていこうよと、この5年間頑張ってきて、結果的にそれが活力になっていたこととベクトルが逆なんですね。

ベクトルを逆にするようなゆとりが、今の日本の経済とか財政にあるのか、そこのことをもう少し考えた上で、感情的じゃない格差議論をしなければいけ ないと思っているのですが、マスコミを含めて、非常にちょっとそこは感情的なところに議論が流れているような気がして、私は心配です。

※この記事は、2008年1月4日にアカデミーヒルズで開催したパネルディスカッション「政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム”再結集~ at アカデミーヒルズ」の全文掲載です。全29章中の第19章に当たります。

※当日使用した資料は、「チーム・ポリシーウォッチ」のサイトで公開されています。


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