« 複雑なアメリカ大統領選挙の仕組みを簡単に説明します | トップページ | 座右の辞典 ~改訂・増補前の古い辞典は用無しか~ »

2008年5月23日 (金)

独法改革でも除外されている国立大学

「政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム”再結集~」その29
―質疑応答―

岸博幸: 本間先生、野村先生も意見があるようです。

本間正明: この中で国立大学の教官をやったのは私だけ。ああ、部分的には国立大学にいらした方もいらっしゃるのですが、最後までまっとうしたのは私だけなんで、国立大学の弁護をしたいと思います(笑)。

こんな楽なところはないんです(笑)。予算はずっと平等に配られますし、全部文部省が面倒を見てくれますから、好きなことをやっていればいい、好きなことをやるということは、過去の自分の盛りのころの学問をずっと同じようなことをやる、社会への貢献をすると「あいつは何をやっているんだ?」という形で内向きな話ばかりをしているわけです。ですから、国立大学は「愚者の楽園」などという言い方をされる場合もあるんです。

このパラダイムを壊すのは内部的にはほとんど不可能です。だから今、竹中教授がおっしゃった通り、やはり……

プロジェクト、競争原理というものをどういう具合に教育、リサーチの質を高めていくか、これを本当に真剣に議論をしないと、この国の劣化はますます進行するだろうと思っております。これは自戒を込めての発言です。

野村修也: 今日の改革の話にからめて、ちょっと一点だけ強調しておき たいことがあるので申し上げます。今の国立大学の話ですけれども、国立大学も実は独立行政法人なんです、国立大学法人。ところが、独立行政法人改革のとき には、国立大学は外されているわけなのです。国立大学は全く手つかずの状態になっていて、独法改革をやっています。

しかし、独法改革は実は2点ありまして、独法改革で重要なのは、ミッションとして立てたことが実現されているのかどうかということが1点あるのです が、もう1つは、そのミッションを実現するのに本当に必要不可欠な資産で行っているのかどうかということをチェックすることが必要なわけです。

国立大学、ものすごく広い敷地でやっています。学生がほとんど行かないようなところも全く使われないまま、国有財産からもらった財産があそこの中に 実はものすごく隠れているわけなんです。本当に教育効果が上がっているかどうかということを、全国の国立大学、一旦チェックしてみますと、かなりお金が出 てくる。私は高橋さんと一緒に埋蔵金の発掘のために、これからちょっとヘルメットでもかぶって行ってみようかなと思っていますけれど、そのぐらいのお金が 出てくるということをよく考えて、やっていければと思います。

岸博幸: 危険な質問で発言がいっぱい出てしまいましたね。結果的に当初ねらっていた通りの結論になったかなと。

つまり第1部では政策。これは問題があって、このままでは日本の経済成長、大変だよという、まさに政策の部分の問題。これは霞ヶ関、永田町にかかわる問題です。

第2部で、「でもそれだけじゃない、そもそも人材が劣化しているし、社会全体のコンプライアンス、ガバナンスが緩んでいる」というのが明確になった と思います。個人的にはこの部分、特に共感しました。私は1年半前まで20年間、役人をやっていまして、民間に行って1年3カ月たちましたけれども、1年 3カ月たった感想は、実は「役所はひどいと思っていたけれど、何だ、民間も大学もそんなに変わらないじゃん」ということでして、やはり社会のいろいろな部 分で、同じ緩みがあるんだろうなと個人的に思っています。

第3部でもその延長で、まさにいろいろな議論が出ました。最後にぜひ強調したいのが、今日ここに来てくださったポリシーウォッチのメンバー及びゲストの皆さん、今日聞いておわかりのように正論だけを言ってくださる方です。

いろいろなメディアで、いろいろな専門家の人が、いろいろなことを言っていますけれども、これは私は掛け値なしに、ここに並んでいる10人のメンバー、多分いわゆる評論家、大学で教える人の類の中で、最も正論を言ってくれる人たちだと思っています。

やはり日本は経済、政治とも今年もどんどん動くと思いますので、今日参加された皆様は、ぜひこの10人が発信する意見に注目をしていてほしいと思います。(終)

※この記事は、2008年1月4日にアカデミーヒルズで開催したパネルディスカッション「政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム”再結集~ at アカデミーヒルズ」の全文掲載です。全29章中の第29章に当たります。

※当日使用した資料は、「チーム・ポリシーウォッチ」のサイトで公開されています。


Mailmagazine【購読無料】アカデミーヒルズで開催する講座の最新情報をメールでお知らせします。

|