
―第1部「それでも日本は増税するのか」―
高橋洋一: 次のエピソード。これは増税したい、したいというので国庫負担の話です。先程本間先生から話が出ましたけれど、2009年、3分の1から2分の1に引き上げるという話、実はこれは2006年の“骨太”のときにすでに決着済みです。それなのにまた言っている。何かしつこくてゾンビみたいですが、いくら言ってもたたいても、また言ってくるのです。
その1つの証拠として、14日(2007年11月14日)の諮問会議のペーパーをぜひ見てください。そこには、実は2006年の“骨太”でも削られたはずの「国庫負担引き上げに伴う増税」という話が書いてあるのです。これははっきり言って知らない間に書かれているのです。だから諮問会議のペーパーで堂々と書いていて、実際、役所というのは一回書いたやつの次に新しいのを書いたら全部消えてしまうというのがあるんです。
知らない間に書かれているのですね。ですから、それは私、ある党幹部の方に申し上げました。そうしたら「とんでもない話だ」というので……
それは消えると思います。ですから、また新しい「進路と戦略」というのが出てきますけれど、それでは消えていると思います。でも、これは多分、誰もチェックしないというのでひどい話ですね。
この「進路と戦略」は放っておきますと閣議決定されます。閣議決定されると、2009年の増税というのは、そこで、閣議決定されると政策になってしまうかもしれないのです。とんでもない話が起こっているのですけれど、マスコミにも全然書いてないし、誰も 指摘もしないし、諮問会議でそのまま言って「はい、はい」という感じで、それでペーパー見てびっくりして、ちょっと驚いて指摘をしたら消えた。そんなよう な感じで、非常に今情けない状況、政策決定で情けない状況になっています。
岸博幸:これまでの5名の意見は基本的に一致しておりまして、要は増税を急ぐ必要はなく、その前に歳出削減、さらに埋蔵金を含めてやる必要がある。 経済は普通に成長するように優先するということになると思うのです。金融市場から見たら、どちらが望ましいかというのは当然ですよね、フェルドマンさん。
ロバート・フェルドマン:もちろん金融市場からは、歳出削減の方が効く、経済が活性化するということはわかっているから、金融市場の関連から見て当然ということだと思います。
基本的に政策は株価のためじゃないのです。国民のためということですけれども、国民の利益あるいは効用を最大化するという観点から見て、生産性を上 げないといけないということが一番大きなポイントだと思います。そういう方向で動く政策が出されるなら、金融市場は喜ぶということだと思います。
金融市場が一番嫌がるのは、何が起きているかわからないということだと思います。今の政府の会計制度を見てみると、本当にわからない。また、政府は 営業赤字が非常に大きいということです。営業赤字を出しながら金利コストが下がって、ようやく発行している債券を減らしてきたということですから、これは 健全な会社じゃないということは誰だってわかるのです。
だけど今の政府会計を見てみると、全部どんぶりになっています。政府の予算の外郭を見たことがありますか? 見てみると民間ベースから程遠いので す。だから営業赤字だということは非常にわかりにくい、これを何とか直さないといけないということが一番大きな問題ではないかと思います。
ここから発生する問題は何があるかというと、埋蔵金問題はまさにそういうことですよね。いっぱいお金があるから、それを使えばいいじゃないですかと いうことは、まさに民間ベースの会計基準を使っていないから発生するような問題ではないかと思います。それを直さないと、金融市場は、やはり日本に関して 懐疑的に見るということではないかと思います。
※この記事は、2008年1月4日にアカデミーヒルズで開催したパネルディスカッション「政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム”再結集~ at アカデミーヒルズ」の全文掲載です。全29章中の第8章に当たります。
※当日使用した資料は、「チーム・ポリシーウォッチ」のサイトで公開されています。
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