
竹中平蔵: 経済も一度どん底までいかないと良くならないんです。これは重要なポイントです。例えば、バブルが崩壊したら国民の生活水準は下がる。生活水準が下がらないほうがおかしいんです。
97年のアジア通貨危機の時は、韓国でもタイでもGDPが10%ぐらい下がりました。しかし、どんと下がったからVシェイプ・リカバリーをした。日本もバブルが崩壊した時に同じことが起こってもおかしくなかったんだけど、公共事業をぶち込んで、国民の生活水準が下がらないように支えました。それでもジワジワ下がってきて、下がりきるのに10年もかかってしまったんです。
米倉誠一郎: レスター・サローというマサチューセッツ工科大学の教授が来日したとき、「バブルはどこでもあるんだ」と言いました。
偉大な科学者のニュートンでさえも、欧州でチューリップのバブルが起こったとき……
球根を買ったんです。ニュートンでさえバブルに乗っかって大損した。だけど、「それはどこでもある」ことだと言います。
大事なのは、これがバブルだ、バブル崩壊だとはっきりと国民に見せればよかったのに見せなかった。「地域振興券」なんて政策が平気でまかり通ったん ですから、小泉・竹中路線の前は本当にひどいもんでしたね。駄目になるところにリソースをつぎ込んで、次の復活がなかなか見えない社会になってしまった。 我々国民もそれを受け入れてしまった。
「やる気があってパワーのある人を応援する」というメンタリティになったほうが日本はよくなる。そうならないのは、実は人の問題なのかなと思うんですよ。大体こういうことを言うと叩かれるんですよね。竹中さんもずいぶん叩かれましたけど、慣れましたか(笑)。
竹中平蔵: 私、叩かれましたっけ?(笑)
米倉誠一郎: こういうのをね、カエルの面に何とかと言うんでしょうね(笑)。
(この記事は、2007年5月16日にアカデミーヒルズで開催したパネルディスカッション「これからの東京 ~ビジネスと感性が融合する都市像~」(第38期アーク都市塾オープニング記念セミナー)の全文掲載です。全16章あり、そのうちの第11章に当たります)
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